原子力を学ぶ大学生がプルサーマル計画について考えてみる。

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私は、現在大学で原子力に関する研究を行なっています。

そこで、原子力を学ぶ学生の視点からお話させて頂きます。

もし、間違いなどありました場合はお知らせ下さい。

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原子力発電のメリットは?

原子力発電のメリットは、下記の事が挙げられます。

  • 燃料の再利用
  • 発電時に二酸化炭素の排出が少ない
  • 発電コストが安い

一般的には、このように言われています。

この燃料の再利用する計画にプルサーマル計画がありました。

このプルサーマル計画は、核燃料サイクルの一部となっています。

プルサーマル計画はうまく進んでいるのか?

ここでは、プルサーマル計画について説明をしたいと思います。

プルサーマル計画について

プルサーマル計画の簡単な図は下のようになっています。

プルサーマルの仕組み
出典:プルサーマルの必要性 , 電気事業連合会

STEP1 ウラン燃料で原子炉(軽水炉)を運転
STEP2 運転終了後に使用済み燃料となった物を再処理工場に移動
STEP3 再処理工場でウランとプルトニウムを回収
STEP4 回収したウランとプルトニウムなどを用いてMOX燃料の作成
STEP5 MOX燃料で原子炉(軽水炉)を運転

プルサーマル計画のメリット

このプルサーマル計画のメリットは、燃料を再処理して新しい燃料として使う事ができるため国内のみで完結する事ができる事です。

自国内だけで完結するメリットは、中東の情勢により石油の安定供給に不安面があるため依存しすぎると危険な事が挙げられています。

プルサーマル計画を進める理由

プルサーマル計画を進める理由には、プルトニウムの問題があります。プルトニウムは原子爆弾の材料になるからです。管理が厳しくIAEAからの監査対象でもあります。

原子力発電を行なっていると、中性子を捕獲しウラン239になり、ベータ崩壊を二回行いプルトニウムが生まれます。したがって、プルトニウムは絶対に生まれてしまいます。

その結果、日本には約47トンのプルトニウムが存在し原子爆弾6000個分になります。これはアメリカなど様々な国から不安視されており、現在問題になっています。

原爆を作る事を許されていない日本ではプルトニウムを減らす方法がないため、再処理を行いMOX燃料で使う事でプルトニウムを消費する必要がありました。

プルサーマル計画を進める理由は、プルトニウムを核燃料に使用し原爆に流用しない事を世界に知らしめる必要があるからです。

プルサーマル計画の現状

このプルサーマル計画において重要なポイントは、再処理工場とMOX燃料工場です。

再処理工場

再処理工場は、日本原燃が青森県六ヶ所村に建設を行なっています。

1993年 着工
2004年 ウラン試験開始
2009年〜2010年 アクティブ試験終了延期
2013年 〜2017年 完成延期
2021年 完成予定

完成延期は23回目であり、着工から22年間動いていません。 

MOX燃料工場

2010年 着工
2022年 完成予定

完成延期は3回行なっており、こちらも大幅に予定が遅れています。

 現状のまとめ

現状では、再処理工場、MOX燃料工場は完成していません。

延期が多い理由として、断層の調査、テロ対策のための建屋、津波対策などです。東日本大震災以降、基準がより一層厳しくなっているため予定よりも時間がかかっています。

現状を踏まえたメリット

現状、プルサーマル計画はうまく行ってません。そのため、フランスの工場に頼みMOX燃料を作ってもらっています。

そのため、メリットとして挙げていた日本国内で完結する事ができ、世界情勢に関係がないとありましたが、これはメリットとして成り立っていないが現状です。

まとめ

再処理工場の延期が23回も行なっている事から本当に2021年に完成するか不安はあり、現状プルサーマル計画はうまくいってません。

そして、再処理工場の建設費は、約2兆円で3兆円まで膨れ上がるとも言われています。そしてほぼ完成はしているので、それを捨てる選択は難しいのだと思います。そして、プルトニウムをどうするか問題になっており、核燃料サイクル以外で良い方法が見つかってもいません。

しかし、40年間の稼働コストは約14兆円となっている事から、建設費よりも圧倒的に高い事から正式稼動前に撤退することも視野にするべきだと考えています。

もし、核燃料サイクルを辞めるのであれば今しかないタイミングだと思います。しかし、後の事を考えずに辞めることだけはしてはいけません。代案の用意が必要です。

反対と言うことは簡単ですが、プルトニウムを捨てることはできません。日本の天然資源は増えません。再処理をしない事で使用済み燃料の保管期間が長期化しまた別の問題が現れてりもします。

日本全体の問題であり、今後の核燃料サイクルは重要課題だと思います。

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